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骨粗鬆症とは

1 原発性骨粗鬆症(明らかな原因疾患が見つからないもの)
 骨粗鬆症の90割以上をしめ、そのほとんどが中高年者に起こる退行期骨粗鬆症です。男女共発症しますが、女性では閉経後に出現します。これは女性ホルモンが急速に減少するからです。男性に比べ、発症時期が早く、重症化しやすく、骨折などの臨床的な問題を引き起こしやすいので、注意が必要です。女性は男性の約10倍の患者がいます。
2 続発性骨粗鬆症
 バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、クッシング症候群、重症糖尿病、慢性関節リウマチ、胃の手術、アルコールの多飲、ステロイド剤服用などが原因となり発症する骨粗鬆症です。原因疾患の治療が必要であり、原発性骨粗鬆症との区別が重要です。
 原発性骨粗鬆症(明らかな原因疾患が見つからないもの)とは、誰でもかかる老化現象そのもので、若いうちの骨塩量の貯金が後々まで響いています。骨粗しょう症が問題になってくるのは多くの人は60代以降でしょうが、若いうちに骨塩量を充分に蓄積しておくことが、年をとってからの骨塩量に大きく関連してきます。
 行き過ぎたダイエットは骨塩の量を低下させます。骨密度はおよそ35歳くらいにピークがあり、その後は増えることはないといわれています。つまり一定の年齢を超えるとカルシウムをいくらとっても骨密度は増えないような状況がおこってきます。

 必ず骨密度は年齢とともに減ってくるわけです。結局、骨粗しょう症が問題になるのはいろいろな部位の骨折が起こりやすい状況になるからであって、骨が折れなければ問題はないわけですが、骨密度の低い骨はちょっとしたことで骨折しますから、骨が折れないようにするには、じっとしてなにもしないか、骨密度を一定以上に保つことが必要です。しかし、年をとってから通常の食事のみで骨塩を増やそうとしても無理があります(もちろん、カルシウムを取り続けることや運動していくことは、骨塩を減らさないためには重要なことなのですが、一定の限界点を越えたら生活だけでは改善しません。)。カルシウムがうまく骨にくっつかなくなるのです。やっぱり、若いうちの骨貯金が大事というわけです。

 さて、最近、女性は低体重になりやすい傾向、男性は体重が重くなる傾向にあるようです。肥満にならないことはことは、糖尿病を予防し、循環器的な疾患を防止するために、重要なことですが、逆に骨密度にとってはあまりよくないことのようです。アジアの女性の大腿骨の骨密度は、閉経後の女性では体重と相関関係があり、骨密度指数(F)=0.2×(体重−年齢)で示されました。(Koh LKH,et al:Osteoporosis Int12:699-705,2001)

 このことから、体重−年齢-100=−5以下を示す女性は、低骨密度の可能性が高いというのです。
このことは、一定の年齢になればだれでも、骨密度が低くなることを示しますが、体重が軽いほど早く、骨粗鬆症になるということです。

また、身長が2センチ以上の低下している人は背骨が圧迫骨折している可能性が高い、というデーター〔K Siminoski:BMR(17)suppl1,S155,2002〕もあります。

60歳を越えた女性で、若いうちから体重の軽い方や、年をとってから身長がかなり縮んだ方は、骨粗鬆症の疑いが強いので検査を受けられることをお勧めします。
骨密度の測定 レントゲンによる
当院で採用している方法は、手のレントゲンを解析する方法CXD法を用いて、骨粗鬆症の判定をしています。

 DEXA法に比べて、やや精度は落ちますが、超音波法よりずっと正確に骨量を判定できます。これは同時に撮影したアルミの階段との比較により骨塩を判定するもので、下の図のように判定が下されます。

お互いのため、寝たきりにならないこと寝たきりの原因の第二位が骨粗鬆による大腿骨の骨折です(第一位が脳梗塞)。夫婦が仲良く暮らすために、お互いに寝たきりにならないように自分の骨密度を測っておきましょう。
左は骨粗鬆症の患者さんの判定結果です。


YAMとは性別の若年成人平均値(20−44歳)に対する実測値の百分率(%)を示し 70%以下は骨粗鬆と判定されますが、80-70%でも脆弱性の骨折(腰椎の圧迫骨折など)あれば骨粗鬆症と判定されます。YAMが60%を切ると、骨折のリスクは著しく増加します。

また年齢相当%とは、性と年齢を一致させた基準地の百分率(%)です。

当院ではこれに加え、腰椎のレントゲンと血中の骨代謝マーカー(NTX)を測定し、治療につなげています。
骨粗鬆症と診断されたらどうしますか?カルシウムを一生懸命とりますか?

 確かに食事は大切です。特にカルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとることが大切です。骨粗鬆症を含めた生活習慣病は、長年の食生活のかたよりが大きな原因となりますから、毎日の食事で、牛乳1本分、豆腐なら半丁を加えてください。欧米人と日本人のカルシウム摂取量の違いは乳製品の摂取量の違いが大きいのです。蛋白とカルシウムを一緒にとると吸収がよくなります。

 しかし、残念なことに、食事だけでは、すでに危険域に入った骨密度を取り戻すのは無理なのです。食事だけでは骨密度の低下をゆっくりにするだけで、骨密度は上昇はさせません。

 TKクリニックでは65歳以下の方で骨粗鬆症の方には以前より、塩酸ラロキシフェンの投与を中心に考えています。この薬は
椎体骨折のリスクを約半分に減少させます。骨粗鬆症の治療薬としてだけではなく、乳がんの発生を1/3に抑えるという効果も海外での4年以上にわたる研究で確かめられていますし、総コレステロールやLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の低下作用もあります。また、一日一回で飲み方や投与時間を問わないというのがとても魅力的です。

 以前から女性ホルモンは骨粗鬆症の治療に使われてきました。しかし、女性ホルモンはラロキシフェンとは逆に乳がんの発生を増加させ、血栓ができやすいというデメリットがあります。一方、ラロキシフェンはそのような副作用ははないようです(特にアジア人では)。ただ閉経後時間がたつと効果が弱いこと、70代の乳がんはさほど多くないことと、70代になると骨粗鬆症の度合いが強くなり、骨折の予防にはラロキシフェンでは少し弱いことから、ビスフォスフォネート(商品名リカルボンなど、リセドロン酸ナトリウム水和物 )に切り替えます。この薬は骨が吸収されるのを防ぎ、カルシウム分を骨に吸着させるのに非常に優れたお薬です。骨密度のみを上げるのにはラロキシフェンより明らかに強力です。またこの薬はビタミンD3製剤と組み合わせることによりさらに強力に骨を丈夫にします。

最近では、重症者には下記のような薬も発売されています。骨折がすでにあるような人にはこちらの方がいいかもしれません。重症者に使うので当院では現在使用していません。

PTH製剤(注射製剤) 商品名:フォルテオ、テリボン

骨形成を促進し、骨組みを再構築します。
骨形成促進薬/テリパラチド(副甲状腺ホルモン)は、骨密度が非常に低いなど重症の患者さんに適した薬です。現在、1日1回患者さんが自分で注射をする皮下注射剤(フォルテオ)と、週1回医療機関で皮下注射(テリボン)とがあります。

デノスマブ(注射製剤) 商品名:プラリア 6カ月に一度でよい。



 50代は乳癌の発生が多く、未産や高齢出産や初潮の早かった人には乳がんの発生が多く認められ、アメリカでは8人に一人が乳がんになるともいわれており、今後、日本の乳癌は増え続けると予想されます。愛知県がんセンターに勤めていた関係上、癌を予防するような薬に対しては思いいれがあります。同じような理由で、血栓予防剤にはアスピリン(大腸がんの予防効果があるといわれている)が好きな薬です。
 
                          文責 黒川醫院 内科 加藤徹哉

 

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