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漢方薬が効果のあった症例    


 当院では、漢方薬の処方は、基本的に保険を用いた漢方薬エキス製剤の処方を中心に行っています。西洋薬の中にも、漢方薬と相性がよく、併用することによって、よい効果のでる場合があります。そういった症例も紹介します。

 尋常性乾癬に温清飲と抗ヒスタミン薬の併用

 57歳主婦、皮膚疾患の漢方治療を希望して来院、アトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド軟こうの治療を続けていたが、ステロイド軟こうをやめると、以前より、かえって悪化するとのこと。首は色素沈着もあり、ステロイドを使用したくないとのことだった。

 所見: 全身の皮膚は乾燥し、やや浅黒い。両肘関節外側、両踵、手背、足背、頚部に落屑をともなう面を持つ湿疹があり、夜間はかゆみなどで眠れないとのこと。手足はやや冷えるとのことだった。アトピーよりむしろ尋常性乾癬を疑う所見であった。
 脈はやや弦で血圧は128/70と正常、腹力は中等度だが、下腹にやや圧痛がある。明らかな、胸脇苦満(肋骨の下の緊張)は認めないが、腹直筋は軽度緊張している。舌は黄苔があり、舌下静脈の軽度の怒張がある。

 ツムラ温清飲を処方し、7日目に再び来院していただいた。短期間ではあったが、すこし、痒みも和らぎ、湿疹も少し改善してきたような様子という。しかし、まだ、痒く、充分ではないとのこと。痒みにジルテック(塩酸セチリジン、抗ヒスタミン薬の一種)と踵にはウレパール(尿素治療剤)を併用した。

 漢方薬は続け一年後には踵の一部と頸の一部に湿疹が残るのみとなった。かなりよくなったため、漢方も本人の判断で中止した。他の薬も内服していない。また、ステロイドで認められた様なリバウンドは認めていない。現在ウレパール外用のみ。

  透析の痒みに黄連解毒湯と温清飲

 75歳、男性 以前より糖尿病があり1年前から透析導入、透析導入時より全身の掻痒を訴えられ、抗ヒスタミンを処方されるも改善せず、他院の漢方外来にて当帰飲子、牛車腎気丸の処方をされたが、改善せず、当院に来院した。

 所見:脈は浮で、やや渋、血圧は152/82だが、降圧薬を内服中とのこと、腹部は柔らかく胸脇苦満はみとめず、皮膚は褐色で全体に乾燥しているが、特に肩、腰のあたりの乾燥がひどい。掻過したあとが認められた。カルデナリン、ラシックス、炭カル、ネオラミンスリービー、メチコバール、アレジオン、ザンタック、アルファロールなど内服中であった。
 
 透析のかゆみに効果ありという文献に従い黄連解毒湯を処方した。2週間してかゆみは少し収まり、今までの中では一番よいとのことだったが、まだかなり痒いとのことで、温清飲を処方に加えたところ、さらに著しく改善した。その後も皮膚の状態に合わせ、季節も考慮し、白虎人参湯や六味丸、四物湯などで調節しながら経過を観察している。

 月経前症候群(PMS)に加味逍遥散と柴胡加竜骨牡蠣湯
 
 26歳、女性、生理前の一週間前くらいから精神的ないらいらが強く、眠れないという。婦人科に通院中で、当帰芍薬散を半年以上内服しているが、一向に改善せず、当院に感冒で受診した際に相談。感冒が治癒してからあらためて診察。
 
 所見:痩せ型だが、比較的筋肉質で、脈は虚実間、腹部は腹直筋の緊張がある。臍の傍にやや圧痛を認めるが著明ではない。胸脇苦満が著明、便秘傾向を認める。舌色はほぼ正常色で、舌下静脈の怒張はごく軽度であった。

 胸脇苦満が著明で、腹診からは四逆散がよいかとも思われたが、月経前症候群と判断し、加味逍遥散を投与した。二週間後、大分気分がよくなったとのことだが、生理前でないので効果わからないという。さらに1ヶ月経過を観察したところ、生理前のいらいらが改善したとのこと。胸脇苦満もかなり改善し、腹部は全体にやわらかくなっていた。そのまま3ヶ月経過を観察したが、改善は続いていた。しかし、不眠だけまだ残るとのことで、夜のみ柴胡加竜骨牡蠣湯を加えたところ、不眠も改善した。
 
 アトピー性皮膚炎に温清飲とビオチン(ビタミンH)

 6歳の女の子、1歳の時から冬になると乾燥し、耳はあかぎれ、肘、膝関節の内側がざらざらになり、全身を掻く。保湿し、ひどいところはステロイド軟こうなどを塗布するが、一時期皮膚の状態もよくなるが、ストレスなどですぐに皮膚の状態が悪くなっていた。

 所見:痩せ型、皮膚はやや褐色で、乾燥、便はころころの便が多い。腹力は中等度で腹直筋がやや張っている。わずかに胸脇苦満を認める。

 当初、皮膚の免疫を強化するため補中益気湯を内服させたが、一ヶ月でも効果はなく、温清飲に変えたところ、一週間で、皮膚の改善が認められた。そのまま内服を継続したが、ある程度までは改善するものの、一定以上にはよくならない。そこで、ビオチンを加えたところ、もう一段階改善した。また、よくなったり、悪くなるというサイクルがなくなり、一定以上の状態がキープできるようになった。
 
 寝たきり老人の繰り返す誤嚥に半夏厚朴湯

 87歳の女性、ほぼ寝たきりで要介護は4、体重は約30キログラム、誤嚥性肺炎を起こしたのち帰宅したが、食事時にどうしてもむせるという。病院からはミノマイシンとムコダインの細粒を処方されている。

 所見:血圧は110/60、簡単な受け答えはできるものの、自分の名前もはっきりとしゃべることはできない。四肢は硬直し、物をつかむこともできない。何とか座位となり、介助にて刻み食は食べることができるが、最近は食事時に必ずといっていいほど、咳が出てむせるせるとのこと。

 退院から3ヶ月目に半夏厚朴湯を処方したところ、わずか、1週間でほとんど咳き込むことはなくなった。以後、半夏厚朴湯の処方を続けるが、食事もスムーズになり、笑顔も見せるようになった。

 インフルエンザにタミフルと麻黄湯

 11歳の女の子、学校でインフルエンザがはやっているとのこと。朝より、頭痛あり、関節も痛く、熱を測ると39度とのことにて来院。

 発汗はなく、脈は浮、数、実で肩はあまりこっていない。鼻汁は少量、咽頭は軽度発赤。インフルエンザの迅速診断を施行、インフルエンザA陽性で、タミフルと麻黄湯を処法した。タミフル内服後1時間後麻黄湯を内服するように説明して帰宅。

 後日、別の用件で来院した際に聞いてみると、麻黄湯内服後より30分くらいで発汗し、翌日朝にはすっかり熱もなくなり、軽快してしまったとのこと、学校も行けるような状態だったが、その日だけは学校を休んだとのこと。

 タミフルも麻黄湯も効果の早い薬だが、この組合わせはA型インフルエンザには何例か処方して、抜群によく効くという印象である。

 おとなでは、その後に、小柴胡湯や柴胡桂枝湯を3日ほど内服していただくことが多い(なんとなく咳がのこる、体が重だるいといった症状に対して)。
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