【ヘリコバクターピロリ菌の抗体と血清ペプシノーゲンから予測される胃がんの発生についての研究(内視鏡を用いた追跡調査研究)】(Gut 2005;54:764-768 T Watabe.et al)
背景と目的:
ヘリコバクターピロリと、胃(粘膜)の萎縮はともに胃がんの危険因子である。われわれ(東京大学消化器グループ)はヘリコバクターピロリ菌と胃の萎縮状態に関連した胃がんの発育の自然史を明らかにすることを目的とした。
対象と方法:総計9293人の健康診断の受診者がこの前向き研究の候補者となった。そのうちの6983人が経過観察のプログラムに再び参加した。
対象(6983人)は最初の胃内視鏡が施行された時に血清学的状態に従い4つのグループに分けられた。groupA(3324人)ペプシノーゲン法で萎縮がなく、ヘリコバクターピロリ抗体が陰性。groupB(2134人)は萎縮がなく、ピロリが陽性、groupC(1082人)は萎縮があり、ピロリが陽性、そしてgroupD(443人)は胃粘膜萎縮があり、ピロリが陰性のグループ。毎年の胃がんの発生は胃内視鏡(胃カメラ)にて測定した。
結果
平均観察期間は4.7年で平均の内視鏡の回数は5.1回であった。毎年の胃がんの発生率はgroupAで0.04%、groupBで0.06%、groupCで0.35%、groupDで0.60%であった。groupAに対しての相対リスクはgroupBで1.1倍、groupCで6.0倍、groupDで8.2倍であった。性、年齢、グループが多因子解析の独立した危険因子であった
結論:血清のペプシノーゲンとピロリ抗体の複合判断は、胃がんの発生の良好なマーカーとなる。
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