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長生きをめざしましょう。

老化とはなにか
 平均寿命がどんどん延びていっています。しかし、105歳をこえるほどの長寿はまれです。歴史的に見ても120歳を超える人はほとんどいません。きちんとした記録がある人物で130歳まで生きた人はいません。ヒトという種の最大寿命は120年程度にすぎず、これを超えることは遺伝子を操作でもしない限り不可能です。種によって寿命は決められているのです。

 30年生きた犬を見たことはないはずです。犬の最大寿命はせいぜい28年程度です。ヒトは比較的長寿な種だと考えられていますが、ゾウガメの仲間は180年くらい生きるものもあります。ゾウ亀は長生き、黒川醫院(黒川医院)

 犬は20歳にもなればよぼよぼです。しかし、20歳は人間で言えば、まだまだ若者です。若者でいられる時間は寿命に比例します。つまり、120歳くらい生きられるくらい元気なら、80歳くらいはまだまだ若者だということです。元気な80代、90代をすごすためには、120歳まで生きるつもりでいてちょうどいいのです。

 若い時ならすぐに直った傷が、年をとると直りが遅いというのはよく経験されることですが、細胞分裂を繰り返すと、染色体の端にある、遺伝情報を含まないテロメアという領域がどんどん短くなることがわかっています。このテロメアが短くなると、細胞はなかなか分裂しません。つまり、皮膚などの老化というのは、残ったテロメアという寿命を大事に使おうとして、細胞が新しく変わらなくなる状態をいいます。このテロメアの長さは種によって大体決まっていますし、細胞分裂ができる回数も決まっているのです。老化とは細胞の老化であり、DNAの老化なのです。

 細胞分裂には限界があると考えていくと、いろいろな病気がわかってきます。若いうちには日焼けはすぐに元に戻ります。新しい皮膚が、下からすぐでてくるからです。しかし、細胞分裂を繰り返すと細胞分裂の速度が遅くなるのです。老人の皮膚がしわだらけなのは古い皮膚を大事に使っているからです(ケミカルピーリングは大事に使っている細胞を無理に壊し、強制的に皮膚の若返りをはかるものですから、長期的にみるとむしろ老化を早める行為ということがわかっています。)。肝硬変は慢性肝炎の成れの果てですが、肝臓の炎症を抑えると、肝硬変への進行が遅くなることがわかっています。細胞が壊れて再生を繰り返すことにより、細胞の分裂がどんどん遅くなり、壊れた分だけ元に戻すことができなくなります。つまり、年齢よりもずっと年をとった肝臓になるのです。元に戻らなくなった細胞の体積には繊維が入り込み、肝臓はどんどん硬くなります。分裂できなくなった多くの肝細胞は死んでいきます。しかし、死を迎えた肝細胞、分裂できなくなった細胞は、自ら生き残ることを、何とかしようとします。その結果、テロメラ−ゼというテロメアを伸ばす酵素を発現させるなど、分裂を繰り返しても死ななくする機構を獲得します。これは普通の細胞ではきっと起こってはいけないことなのでしょう。死ななくなった細胞は自分のDNAをどんどん変化させます。その結果として、癌が生まれてきます。ウイルスや発ガン物質によるものなど、癌の発生の機構はこれだけではありませんが、慢性炎症のある臓器に、癌が発生しやすくなるのは、肝臓だけではなく、胃や膵臓や胆嚢なども同様ですし、消化器管以外でもそうです。

 
 
細胞が分裂しなくなる事が老化である臓器と、最初から、ほとんど細胞が分裂せず、壊れることが老化そのものの臓器があります。後者は心臓と脳が代表です。心筋も脳細胞も、成人してからは細胞分裂しません。そしてこの2つの臓器を壊す犯人が、血管の動脈硬化です。ヒトは血管とともに老化すると言った偉人もいましたが、栄養を運び、酸素を運び、免疫の主体となる血液を運ぶことからも、まさに血管の老化はヒトそのものの老化です。血管の老化の原因はコレステロールだったり、高血圧だったり、活性酸素であったり、糖尿病だったりしますが、少なくとも癌よりは自分の意思で老化をコントロールできます。

 
皮膚や血管、肝臓、腎臓、心臓、等等、老化とはそれぞれの臓器が老化することであり、それぞれがバランスがとれた老化なら問題はありませんが、どの臓器でも、病気に冒されると、治癒してもその臓器の老化は進みます。なぜなら病気には破壊がつきものだからです。再生できる臓器では、再生のために細胞分裂という時計の針を進めることになりますし、再生できなけば、破壊は機能の低下をひきおこします。機能低下は老化そのものです。

長生きは普段の生活から

 財団法人がん研究振興財団 (監修 国立がんセンター )が提案した『がんを防ぐための12カ条』は、
現実的・実践的な指針をとして、日常生活からの癌の予防のために作られましたが、この指針は癌だけでなく成人病を防ぐエッセンスがつまっています。この12カ条は、一見どれも平凡に見えるかもしれませんが、しっかりとした疫学や実験データに基づいて作られています。『老化を防ぐための12カ条』ともいえると思います。

○バランスのとれた栄養をとる
○毎日、変化のある食生活を
○食べ過ぎを避け、脂肪は控えめに
○お酒はほどほどに
○たばこは吸わないように
○食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
○塩からいものは少なめに、あまり熱いものは冷ましてから
○焦げた部分は避ける
○かびの生えたものに注意
○日光に当たり過ぎない
○適度にスポーツをする
○からだを清潔に

 さて、ちゃんと生活しているのにもかかわらず、データーはよくならないとか、塩分を減らしても、ちっとも血圧が下がらないとか、癌が心配で夜も眠れないとか、そういったことがあれば医者にかかるべきでしょう。頭ががんがんする。こういった急性期の症状があるとき以外でも、お医者さんはうまく使ってください。慢性疾患の治療には患者さんの理解度がもっとも大切です。初診時や検査の結果が出たときには、きちんと説明してくれる医者を選んでください。当院も、選ばれるグループに入れるように努力いたします。
 定期的にがん検診も受けましょう。早期の時に見つければ、臓器の機能低下は最小限ですむはずです。便潜血が陽性なら、症状がなくても、胃カメラや大腸内視鏡が必要かもしれません。
 

長生きをめざそう。
 
 痛くない、自分のいいたい事がちゃんといえる、ちゃんと動ける、苦しくない、健康であることは、なんとすばらしいことなんでしょう。どんなにがんばっても、120歳までしか生きれないなら、死ねまではちゃんとしていたい。健康に生きてスッと死にたい。苦しむ時間は長くないほうがいい。誰でも思うことです。だけどバランスの悪い老化はそう簡単には死ねません。すべての臓器がちゃんとバランスよく老化していくことが大事です。体を大事にして、長生きをめざしましょう。それがピンピンコロリの秘訣でしょう。


長生きをしようは120歳まで生きようというタイトルで以前ホームページに掲載されたものを編集したものです。
            
                     文責  TKクリニック(旧黒川醫院 内科)   加藤徹哉     平成18年1月30日
に記載
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